太陽光発電のPID現象とは?原因や対策をわかりやすく解説
太陽光発電は、太陽の光を電気に変換する環境に優しい発電方法です。しかし、太陽光発電にも問題があります。その一つが、PID現象と呼ばれる性能劣化現象です。この記事では、PID現象の仕組みや原因、対策についてわかりやすく解説します。
PID現象とは何か?
PID現象とは、Potential Induced Degradation(ポテンシャル誘起劣化)の略で、太陽光パネル(太陽電池モジュール)の出力が低下する現象です12。特に、メガソーラー(大規模太陽光発電所)などで多数の太陽光パネルを直列に接続して高電圧下で運用した場合に発生しやすいとされています。
PID現象が起きると、太陽光パネルの発電量が大幅に低下し、売電収入や自家消費効率が減少するだけでなく、パワーコンディショナーや蓄電池などの周辺機器にも影響を与える可能性があります。
PID現象の原因は何か?
PID現象の原因は完全に解明されていませんが、一般的には以下のようなメカニズムで発生すると考えられています。
太陽光パネルに高電圧がかかると、太陽電池とパネルのフレーム(金属枠)の間に漏れ電流(本来流れてはいけない電流)が発生する。
漏れ電流によって、太陽電池内部のシリコン層からプラスイオン(正に帯電した原子)が移動し、反射防止膜やガラス層に溜まる。
プラスイオンが溜まることで、太陽電池内部の電界が弱まり、光を電気に変換する効率が低下する。
また、プラスイオンが溜まった反射防止膜やガラス層は、水分や塩分などの外部要因によって劣化しやすくなる。
これらの結果、太陽光パネルの出力が低下する。
PID現象を引き起こす要因としては、以下のようなものが挙げられます。
高温多湿な環境
高圧・特別高圧型(1,000V以上)の太陽光発電システム
結晶シリコン系(特にp型)の太陽電池
塩害や大気汚染などの影響を受けやすい環境
PID現象の対策はどうすればいいか?
PID現象は見た目では判断できないため、定期的な点検や測定が必要です143。また、PID現象を防ぐためには、以下のような対策を行うことが推奨されています。
太陽光パネルの負極(ー極)をアース接続することで、漏れ電流を抑制する。
絶縁型(非絶縁型では不可)のパワーコンディショナーを設置することで、高電圧を制御する。
PID現象に強いHIT型(単結晶シリコンとアモルファスシリコンを組み合わせた)や両面型(両面から光を受ける)などの太陽光パネルへ交換する。
蓄電池を併用することで、余剰電力を貯めておき自家消費効率を高める。
まとめ
PID現象は、太陽光発電の性能劣化現象であり、高温多湿や高圧・特別高圧型などの条件下で発生しやすいものです。PID現象が起きると、太陽光パネルの出力低下だけでなく周辺機器への影響も懸念されます。そのため、定期的な点検や測定を行うことやアース接続・絶縁型パワーコンディショナー・HIT型・両面型・蓄電池などの対策を行うことが重要です。
